彼らが手にしている 富は買えるんだ
僕らは数えないし 失くすこともない
――椎名林檎『ありあまる富』より
世間で「勝ち組」と呼ばれる人たちは、
自分では手に入れられない“わかりやすい富”を持っていて、
「いいなぁ……」って思うことがよくある。
家、車、年収、地位や影響力。
そうした“目に見えるもの”が、自分にないと不安になったり、
心がざわついたりする日もあった。
でも、あるときこの歌に出会って、
ふと、心が静かにほどけていくような気がした。
「僕らは数えないし 失くすこともない」
ああ、そうか。
数えられないし、失くせないもの――
それもちゃんと、“富”なんだ。
それは、忘れられない思い出の中にあるかもしれないし、
いつも傍にいてくれる人たちとの関係の中にあるかもしれない。
あるいは、自分の心が震える瞬間や、
前を向くために必要な“言葉”や“感情”の中にこそあるのかもしれない。
私はとくに、「心」と「意識」こそが
自分にとっての、最も大切な“富”だと信じている。
それらを育て、磨き、豊かにしていくこと。
それこそが私が歩んでいきたい航路なんだと、信じて進んでいる。
見えなくても、手で触れられなくても。
きっとあなたにもあるはず。
“ここにある”と感じられる、あなた自身の富が。
Let words be the wind.
And the Ark sail.
コメント