聞こえてきた潮の音に乗って
身包み剥いだ丸腰で たかがこの身一つ手ぶらで
乗れるもの全部に乗ったれ 取っ掛かりなんて作っちゃえばいい
――東京事変『乗り気』より
「何もなくても、始めよう」
そんな気持ちを思い出させてくれた、大好きな一節です。
転職したての頃、まだ不安を抱えながら働いていたある日。
ふと、上司たちの会話が耳に入ってきました。
「この間の潮がさあ〜」
――その一言で、「釣りの話だ!」と直感。
思わず、「今、潮がどうとかって…釣りの話ですか?」と口をはさんでしまいました。
名前もまだ覚えていないような人たちだったのに(笑)
釣りの知識なんて当時はまるでなくて、好きなように「行きたい時に行く」という自己流でやっていた頃。
でも、その一言から距離が縮まり、いろんなことを教えてもらえるようになっていきました。
教えられるままに装備を揃えてみると、「なるほど!」と体感することばかり。
同じ趣味って、人と人をここまで繋いでくれるんだなと、実感した出来事でもありました。
始めたばかりでも、いや、始めてもいなくても――
ふと聞こえてきた言葉に、乗っかっていくのはとても良いことだと思います。
知識を広げるには本を読むのも大事だけど、
実際に体験して得るスピードや熱量は、段違いだから。
その方に「ハードロック(※根魚狙いの釣り)」を教えてもらって、初めての釣行では全然釣れず…。
「このルアー使ってその仕掛けに付けてそっち方向に投げてみて」という完全に接待釣りのような言葉で、
時間ギリギリで人生初のアカハタさんと遭遇。
この釣行ではその一匹だけだったのですが、感動は今でも深く心に刻まれてます。
今ではドはまり。南の方に移住したいくらいになってます。
お金や家族の問題が解決すれば、いつか本当に行ってしまうかも(笑)
だから――何もなくても。
興味があるなら、まず一歩。
聞いてみる。
乗ってみる。
始めてみる。
その先に人生を変えるような出来事に遭遇するかもしれません。
Let words be the wind. And the Ark sail.
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