Say Good-bye ― 捨てる勇気と進む力

Say Good-bye ― 捨てる勇気と進む力

Say Good-bye おんぼろのギター
Say Good-bye 擦り切れた Rock’n Roll
― 尾崎豊『Scrap Alley』より

この歌は、昔の仲間を思いやるような物語を奏でています。ロックンロールでの成功を夢見ていたあの仲間も、やがて愛に出会い、家庭を築き、その汗は“誰かを守ること”へと注がれていきます。

家族を守るために彼が手放したもの――それが、おんぼろのギターであり、擦り切れたRock’n Rollでした。若き日の夢や情熱は確かに輝いていたけれど、前に進むためには時に「サヨナラ」を選ばねばならない。尾崎はそう語りかけているように思えます。

私もまた、いくつもの職場を渡り歩きながら多くの仲間と出会ってきました。職を変えれば休みも変わり、連絡は次第に途切れていく。縛られ続けて動けなくなるより、自ら関係を切る選択をしたこともあります。後悔がまったくないわけではありませんが、それもまた「前に進むための決断」だったのだと受け止めています。

最近は、人との縁だけでなく「モノ」に対してもサヨナラをするようになりました。読み返さなくなった本、ボロボロになった古いルアー、前職で使っていたボールペン――どれも当時の自分を支えてくれた大切な証でしたが、今の自分にはもう役目を終えたモノたちです。手放すたびに、心が少しずつ軽くなっていくのを感じます。

捨てるとは、失うことではなく、新しい風が吹き込む“空間”をつくることだ。
人も、モノも、過去も未来も、すべては流れの中にあります。それでも縁が残っていれば、またいつか交わることがある。だからこそ、自分が本当に求めるもの、信じるものがあるなら、勇気を出してGood-byeしていい。たとえそれが誰かには冷たく映る行為でも、自分の進む道を選ぶことは決して間違いではありません。

Soulのそよ風
縛られて捨てられないなら、どんどん沈んでいくだけだ。
我がお前の沈む方舟を、最後まで見送ってやろう。

Let words be the wind. And the Ark sail.

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