「見えない敵」と向き合うために

「見えない敵」と向き合うために

そこは悩みもなく 愛に溢れたとしても
生きている限り
見えない敵はいつも おまえの中にいる
― 聖飢魔Ⅱ『GO AHEAD!』より

これは、聖飢魔Ⅱが解散直前に発表した大教典(=アルバム)のラストを飾る一曲。
『GO AHEAD!』。

グループとして最後の最後に放たれたそのタイトルは、「それでも前へ」という強い意志に満ちていました。

たとえ、望んでいた場所にたどり着いたとしても。
どれだけ恵まれ、愛に包まれていたとしても――
見えない敵は、自分の中にいる。

仲の良い人たちに囲まれていても、
ふと、孤独を感じる瞬間が、訪れるかもしれない。

手に余るほどのお金を得たとき、
「それを狙う誰か」を無意識に警戒してしまうかもしれない。

猜疑心、執着、驕り、承認欲求…。
それらは誰かに植え付けられたものではなく、
すべて、自分の内側から生まれるものです。

人と関わり、社会の中で生きていく限り、
こうした感情と完全に無縁でいることは、おそらくできない。
それを「なくす」ことはできないのなら、
どうすれば、自分の中の敵と共に歩んでいけるのか。
それが、いま私たちに突きつけられている問いなのかもしれません。

じゃあ、どう立ち向かえばいいのか?

そのヒントは――
最後の曲の、最後の一節にありました。

戦う勇気もまた おまえの中にある
― 聖飢魔Ⅱ『GO AHEAD!』より

Let words be the wind. And the Ark sail.

コメント

タイトルとURLをコピーしました