“That’s just one side of me.”――その一面に、すべてを決めさせるな。
私の大好きなシーンのひとつです。
それは『Britain’s Got Talent』――埋もれた才能を発掘する番組に、後に世界的アーティストとなるスーザン・ボイルが出演した時のこと。
彼女の夢は「プロのシンガーになること」。
だけど語られたのは、「大勢の観客の前で歌ってみたかった」という控えめな“小さな夢”でした。
そして、小さな夢の叶った運命の時。
審査員に年齢を訊かれ、スーザンはこう答えます。
I’m forty-seven.(47歳よ)
観客席がざわつく中で放たれたこの一言。英語では、
“That’s just one side of me.”
(それは私の一面に過ぎないのよ)
―スーザン・ボイル『Britain’s Got Talent』より
何度見ても、目から汗がこぼれそうになります。
“夢を見るには遅すぎる”という幻覚
「47歳で夢を語るなんて…」
世間には、そんな空気がまだどこかに漂っています。
スーザンの容姿はお世辞にも派手とは言えず、
偏見混じりの視線が注がれていたのも事実でしょう。
きっと彼女自身も、
「自分には華がない。歌手なんて無理だろう」と思っていたかもしれません。
それでも、歌が好きだから続けてきた――その想いを、私は感じました。
そう思ったのは、歌い終えた後の彼女の行動からです。
審査の合否を聞かず、そっと舞台を去ろうとしたあの姿。
歌手にはなれないけど…。
でも、観客の前で歌えた。この小さな夢は叶った…。
これ以上は望まない。
合否を聞いたら――夢が本当に終わってしまうから。
けれど、現実は違いました。
その歌声は世界を震わせ、人生を一変させたのです。
何歳だって、変わりたいと思う時は来る。
私も今、40代。
そして、少しだけ時間ができた今――
幼い頃に夢見た「正義のヒーロー」を、小さく、小さく思い出しています(笑)
もちろん、12歳から歌を続けていた彼女には到底敵いません。
でもこのブログを始めたように、少しずつでも前に進めればいい。
自分の中の声を信じながら、
この言葉を胸に刻んでいます。
“That’s just one side of me.”
(それは私の一面に過ぎないのよ)
何歳でも、進化はできる。
その信念とともに――。
誰かが笑ったって、
何歳だって、
見た目や過去がどうであれ――
変えたいという意思が芽生えた日、
それはあなたの“生まれた日”だ。
―さぁ、再誕の時は来たぞ。
Let words be the wind. And the Ark sail.
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